もともとフランスに自生していたヨーロッパヒラガキであるが、乱獲により今ではわずかにフランスの生産量の2パーセント以下になってしまった。
なぜ先人は資源が枯渇するまで牡蠣を食べ続けたのであろうか?
これには牡蠣を食べることによる効能が深く関係しているようである。
頭がよくなる?精力がつく?
牡蠣にはさまざまな栄養素が含まれているが、その中でリンは長年脳に良いとされてきた。
中世のルイ11世は部下たちの頭のよさを維持させるために、毎日一定量の牡蠣を食べることを義務付けたそうである。特に優秀な学者が多くいたソルボンヌ大学では、年に一度王の命令でいやというほど牡蠣を食べさせられる晩餐会に出席を強いられるほどであったらしい。
頭が良くなる以外に精力がつく説もある。
色事師として有名なカサノヴァは、食事は12ダースの牡蠣を食べることから始めたといわれている。
精力がつくことは子孫を残すことが国政を安定させることに重要であった時代では、王がもっとも気を使ったことにも関係する。
いずれにしてもこの誤った認識が牡蠣の大量消費を招き、結果としてフランス自生のヨーロッパヒラガキを絶滅の淵に追い込んだようである。
牡蠣の本当の栄養素
牡蠣に多く含まれているのは以下の3つの栄養素である。
グリコーゲン:肝臓の働きを活発にし、ホルモンを正常に機能させて身体に活力を与える働きがある
タウリン:肝臓の代謝機能の改善、高・低血圧の正常化、血栓の予防、心臓の興奮の鎮静化、体内の老廃物や有害物質を分解し、ガンの発生を抑える
亜鉛:インスリンの分泌促進、ホルモン代謝など、生体反応に欠かせない微量ミネラル元素であり、不足すると食欲不振、味覚異常、皮膚障害などになる
いずれにしても栄養素が豊富であることは確かである。
ブロン産のヨーロッパヒラガキにつきましては以下の書籍を参考にいたしました。