遊哉様、TBさせていただきます。
ハンニバル・レクターというトマス・ハリスが作り上げた稀有な人物についてのブログを立ち上げたNAOと申します。
ハンニバル・シリーズについては非常に長い期間継続(レッドドラゴンは1981年発刊)しているのにも関わらす、終始一貫して書かれており、調べ甲斐のある題材ですね。
ところで遊哉様はいつの時点がハンニバルが「怪物」となったとお考えでしょうか?
内に秘めた苦悶がついに噴出
ハンニバルの幼年期の経験は確かにすざましいものであったと想像できますが、リトアニアの一般人と比べるとはるかに恵まれていた環境で育てられたと思うのです。
ハンニバルは運良く、狩猟ロッジに避難していた約3年間直接的な殺戮を経験していなかったのです。
その分、一家を失い、さらに妹ミーシャを食料代わりにされたときの心の痛手ははるかに大きかったのではないでしょうか。
終戦間際にレクター家を襲った事はまさに悲劇としか言いようがないですが、あまりに明晰な頭脳と、忘れることのできない記憶法を身につけたハンニバルにとっては、たった一度の大惨事をそれ以降引きずることになり、ついには戦争後の平穏な時代にも関わらず、ポール・モマンとの運命的遭遇が怪物への引き金を引いてしまったと思うのです。
せめてもう半年、紫夫人やロベール・レクター伯の教えを受け、内に秘めた苦悩を制御できるようになっていれば別の世界が開けたのではないかと思うのですがいかがでしょうか?